抜歯したその日にインプラントを入れる、低侵襲かつスピーディな治療

従来のインプラント治療では、歯を抜いてから2〜3ヶ月以上の治癒期間を経てインプラントを埋入するのが一般的でした。しかし、「抜歯したその日にインプラントを埋入できる」抜歯即時埋入という術式により、治療期間の大幅な短縮と、患者さまの身体的・心理的負担の軽減が可能になりました。

当院では、CTとナビゲーション技術を活用し、抜歯即時埋入にも高い成功率と審美性をもって対応しています。

抜歯即時埋入が選ばれる3つの理由

① 治療期間の短縮

従来は「抜歯 → 治癒期間 → インプラント埋入 → 再び治癒期間 → 補綴」と、半年以上を要するケースも。
抜歯即時埋入では、抜歯と同日にインプラント体を埋入できるため、最短3〜4ヶ月で治療が完了することも可能です。

② 歯ぐきや骨の形態を保ちやすい

抜歯後、骨や歯ぐきは自然に吸収されてしまいます。
しかし抜歯即時埋入では、抜歯窩をそのまま活用するため骨吸収が最小限に抑えられ、審美性の維持にも効果的です。

③ 仮歯を即日に装着できるケースも

前歯など目立つ部位では、抜歯と同時に仮歯を装着する「即時負荷」が可能な場合があります。
治療中も見た目の違和感がなく、人前に出る職業の方や結婚式・面接などを控えた方にも適した治療法です。

抜歯即時埋入が適しているケース

以下のような患者さまは、抜歯即時埋入の適応となる可能性があります。

  • 虫歯や破折で歯を抜かなければならない
  • 抜歯予定の前歯を「なるべく早く見た目よく治したい」
  • 治療期間を短くしたい
  • 手術回数をできるだけ少なくしたい
  • 歯ぐきや骨の吸収を抑えたい

▶ 逆に、重度の感染がある場合や骨の厚みが極端に少ない場合には、即時埋入を見送ることがあります。

当院の抜歯即時埋入の特徴

■ CT・ガイドによる“誤差ゼロに近い”精密埋入

抜歯直後の穴(抜歯窩)は不定形で、埋入方向のブレが起こりやすい難症例です。
当院では、CT解析とガイドを併用し、わずか0.1mm単位で方向・深さを調整しながら安全に埋入します。

■ 骨補填材・再生療法を併用し、長期安定性を確保

抜歯窩とインプラントの隙間が大きい場合には、骨補填材や人工膜(メンブレン)を併用し、骨の再生を誘導(GBR)します。これにより、審美性と清掃性の高い補綴形態が維持されます。

■ 審美性を意識した仮歯設計

前歯部においては、仮歯の形・位置・歯ぐきとの関係が、最終補綴の完成度を大きく左右します。
当院では、技工士と連携しながら、歯ぐきの形態を美しく誘導する仮歯をデザインしています。

治療の流れ(抜歯即時埋入の場合)

  1. カウンセリング・CT検査
  2. 抜歯と同時にインプラント埋入(当日)
  3. 骨の安定を確認しながら治癒期間(2〜4ヶ月)
  4. 仮歯の調整(必要に応じて)
  5. 最終補綴物(ジルコニアなど)を装着
  6. メインテナンススタート

注意点とリスク

  • 重度感染・骨の欠損が大きい場合は適応外となることがあります
  • 即時負荷(その日のうちに仮歯装着)ができるかどうかは骨の初期固定の条件によります
  • 術後のケアを怠ると、インプラント周囲炎などのリスクがあります
  • 当院では、適応条件を厳密に評価し、無理な適応は一切行いません。

まとめ:抜歯から最短で「噛める」「見た目が整う」選択肢

抜歯即時埋入インプラントは、治療期間の短縮と審美性の維持を両立した、非常に合理的な治療法です。
しかし同時に、高度な診断力・技術・設備を必要とするため、対応できる医院は限られます。

当院では、診査・診断から補綴までをトータルに設計し、適応可能な症例にのみ確実な結果を提供しております。
「抜歯しなければならないけれど、なるべく早く治したい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。