インプラント治療は“安全性の高い治療”ですが、リスクも存在します
インプラントは、近年では高い成功率を誇る治療法として確立されています。しかし、それでも外科手術を伴う医療行為である以上、リスクや副作用がゼロとは言えません。
このページでは、患者さまに安心して治療に臨んでいただけるよう、リスクとその対策を正しくお伝えいたします。
外科処置に伴うリスク
1. 手術後の腫れ・痛み・出血
インプラント埋入後、数日間は腫れや痛み、内出血が生じる可能性があります。特に骨造成(GBR)やサイナスリフトを併用するケースでは腫れが強まることも。
対策:事前にリスクを説明し、術後は痛み止めや抗生物質を処方/冷却・安静など、的確な術後ケアのご案内
2. 神経麻痺・知覚異常
下顎の奥歯のインプラントでは、下歯槽神経との距離に注意が必要です。まれに一時的な知覚の鈍麻やしびれが生じることがあります。
対策:CTによる三次元画像診断で神経位置を正確に把握/ガイド手術(Xガイドなど)を用いた精密埋入
3. 上顎洞穿孔(サイナス)
上顎臼歯部では、インプラントが上顎洞(副鼻腔)に接するリスクがあります。穿孔すると副鼻腔炎を引き起こす可能性あり。
対策:骨量が少ない場合は、サイナスリフト・ソケットリフトを計画的に実施/サージカルガイドの活用と、事前のシュミレーション診断
長期的なリスクとメインテナンスの重要性
1. インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)
天然歯と同様に、インプラント周囲の歯ぐきに炎症が生じる病態放置するとインプラントが脱落することも。
対策:毎日のセルフケアと定期的なプロフェッショナルクリーニング/専門衛生士によるインプラント専用のメインテナンスプログラム
2. 咬合バランスの崩れ・噛み合わせの問題
強すぎる咬合力がかかると、インプラント体や上部構造に破損が生じることも。
対策:咬合力の診断、必要に応じたナイトガードの処方/咬合再構成や全体的なバランス評価を事前に実施
全身疾患をお持ちの方のリスク
糖尿病・高血圧・心疾患など
術後の治癒が遅れたり、感染のリスクが高まる可能性があります。血液サラサラの薬を服用している場合、出血への配慮が必要。
対策:必ず事前に主治医と連携し、内科的コントロールの確認/医科との連携体制のもとで、安全性を確保したうえで治療を進行
喫煙とインプラントの関係
喫煙により血流が悪化し、インプラントと骨の結合率が低下。インプラント周囲炎の発症率も高くなります。
対策:手術前後は禁煙を強く推奨/喫煙者の方には、治療前にリスクをしっかり説明
安心のための体制と取り組み
■ 歯科麻酔医による静脈内鎮静法
手術中の不安や痛みを軽減し、リラックスして受けられる治療体制。全身管理下での処置が可能。
■ 手術専用オペ室の完備
滅菌管理が徹底された清潔環境での外科処置。安全性と感染対策を強化。
■ 治療計画と説明の徹底
CTやガイドを使った3Dシミュレーションによる精密診断。リスクと治療選択肢を丁寧に説明し、同意を得たうえで治療開始。
リスクを理解し、安心して治療を受けるために
インプラント治療には、確かに一定のリスクや副作用があります。
しかし、それらを正しく理解し、事前に対策を講じることで、安全かつ長期的に安定した結果を得ることが可能です。
当院では、術前の診査・診断から術後のフォローまで一貫して安全性にこだわり、信頼できる治療を提供しています。
不安やご不明な点があれば、どんなことでもご相談ください。