メスを使わず、より負担の少ないインプラント治療

「フラップレスインプラント」とは、歯ぐきを切開せずに行うインプラント手術のことを指します。
通常のインプラント手術では、歯ぐきを切開して骨を露出させる必要がありますが、フラップレス法では歯ぐきに小さな穴を開けるだけで処置を行います。

その結果、

  • 出血や腫れが少ない
  • 手術時間が短縮される
  • 傷の治りが早い
  • 審美性の高い仕上がりが期待できる

といった患者さまにとってのメリットがあります。

フラップレス法と通常手術の違い

項目 フラップレス法 通常のインプラント手術
歯ぐきの処置 切開・剥離なし 切開・剥離あり
出血量 ごく少量 中程度
術後の腫れ・痛み 少ない やや強く出やすい
手術時間 短い(15〜30分程度) やや長い
治癒期間 早い 標準的
見た目の仕上がり 高審美(歯肉の形を保てる) 症例による

フラップレスインプラントの適応症

フラップレス法は、すべての患者さまに適応できるわけではありません。以下の条件を満たす場合に、当院ではフラップレス手術を検討します。

適応条件の一例

  • 骨の厚み・高さが十分にある(CTで評価)
  • 歯ぐき(歯肉)の状態が安定している
  • 骨造成などの追加処置が不要なケース
  • インプラントの埋入位置・角度が事前に正確に決定できる症例
  • 前歯部など審美性が重要な部位

▶ 骨が薄い・歯周病の既往がある・位置決めが難しいケースでは、従来のフラップ手術が適応される場合もあります。

当院のフラップレス手術の安全性と強み

■ 歯科用CT・ガイドの使用

切開しないフラップレス法では、術前の診断と計画がすべてを決定します。当院では歯科用CTで3次元的に骨の形態・密度・血管・神経の位置を解析し、ガイドを併用することで、正確な埋入を実現します。

■ 治療時間の短縮と、患者さまの身体的負担の軽減

  • メスによる切開がないため、手術時間は通常の半分以下に短縮可能
  • 高齢の方・全身疾患のある方にも適応可能性あり(事前に内科連携)

■ 審美的歯肉ラインの維持

前歯部などの審美領域では、歯ぐきを切らずに温存できることで、歯肉の形態が美しく保たれる利点があります。
これは、審美インプラントにおける成功の鍵にもなります。

治療の流れ

  1. CT撮影・診断・治療計画立案
  2. 局所麻酔下で、歯ぐきに直径3〜4mmの穴を形成
  3. インプラントを埋入
  4. 必要に応じて、仮歯装着またはヒーリングキャップ設置
  5. 約2〜3ヶ月後に最終的な被せ物を装着

費用について(参考)

項目 費用(税込)
フラップレスインプラント(1本) 330,000円〜(Xガイド込み)
事前CT・シミュレーション 無料 or 初診料に含む
仮歯・補綴費用 別途必要(症例による)

▶ フラップレス手術は、Xガイドなどの高度設備が必要なため、自費診療としてのご案内となります。

リスク・副作用について

  • 切開しない分、埋入位置のミスが許されない高度な技術が要求される
  • 血流確保が不十分な場合、骨結合に影響する可能性あり
  • 術後の歯肉退縮のリスクが少数ながら存在
  • 骨造成を伴う症例には不適応

▶ 当院では、適応症の見極めと、高度なデジタルナビゲーション技術により、リスク最小化を実現しています。

切らずにできる、でも「安全性第一」で選択

フラップレスインプラントは、患者さまの負担を減らしつつ、美しく・早く治す選択肢として注目されています。
しかし、誰にでも適応できるわけではありません。

当院では、「できる・できない」を正確に診断し、無理な提案は一切いたしません。
まずは歯科用CTでの検査・無料相談から始めてみませんか?